【闇の子供たち】闇を照らすために出来ること
監督: 阪本順治
原作: 梁石日
出演: 江口洋介、宮崎あおい、妻夫木聡、佐藤浩市、鈴木砂羽
公開: 2008年8月
生活のために子供を売るタイの貧民層。
売られた子供は、汚い牢屋のような部屋に
閉じこめられて逃げられないように虐待され、
外人客の性の道具にされる。
子供を性の対象として求める大人の犠牲。
ビデオで録った子供の性行為をネットにUPして
自慢する日本人客。
エイズを移され使い物にならなくなったら、
黒いゴミ袋に詰められてゴミのように捨てられる。
客に大量の薬物を打たれて死んでしまった少年は
仲介者に何百ドルで買い取られ、片付けられた。
健康な子供は生きたまま麻酔を打たれ
臓器を取り出される。
臓器を買うのは、自分の子供の心臓移植を
待っている日本人の夫婦。
そんな、そんな、そんな映画。
どこも綺麗な所なんてない。
闇に落とされて汚された子供たちを
装飾なく映した映画だ。
綺麗事が見たい人は、この映画は見ない方がいい。
決して救われる結末とは言えないのだから。
こういう事が、地図で日本から20cmの所で
現実に起きている。
それを飾ることなく描いて見せた阪本順治監督と、
淡々とそれぞれの役を演じた俳優のみなさんには
心から拍手を贈りたい。
どうすれば、この闇を無くすことができるのか。
結局は需要を無くさなければ供給も無くならない。
そして「需要」の中には日本人が確実にいるのだ。
しかし、その「需要の主」達は、こんな映画は見ないだろう。
そう考えると、ただ虚しさだけが残る。
ここから下
、ネタバレ。観る予定の方は、観てから読んでね
原作は未読だけれども、映画よりももっと
悲惨で読み進むのに苦労するんだそうで。。。
でも、どんな悲惨な映像よりも辛いのは、
この闇を作る一因に日本人も関わっている
と言うこと。
臓器の話は、何とも言えない感覚があった。
日本では8歳以下の子供の移植手術はできない。
アメリカで手術すると、費用は億に達するだけではなく、
ドナーが見つかるまで何年も待たなくてはならない。
もしも、自分の子供に心臓の移植手術が必要で、
早く手術しなければ半年も保たないと言われて、
タイならば今すぐ移植手術ができると言われたら。。。
それが例え、生きている子供の臓器だと
知ってしまっても。。。
手術を望んでしまうかも知れない。
児童売春のエピソードも、結末は、見る者を
凍り付かせた。
所々に出てきた南部の過去と、その結末。
壁いっぱいに貼られた児童売春の新聞記事と、
その真ん中にポッカリ空いた鏡の部分。
のぞき込めば、自分も記事の一つになる。
いけない事と知っていても。。。
ここにも、闇は浸食していた。
まずは、どこから直していけばいいんだろう。
上で書いたように、需要があるから供給があるわけだけど、
供給の方を止めてしまうと言う手もある。
供給が無ければ欲しい方も我慢するしかないし。
そこを止める事が出来るのは、その国自身の
政治力でしかあり得ないと思うのだけど。。。
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ミルキィ~♪ : 2008/09/04 (木) 05:40:39
私はなかなか描写がきつく 原作を読み進めない。
あまりにも自分の子供らと 同じ年代の子供がと思うと 私の横で戯れて遊ぶチビを見てると胸が締め付けられてしまいます。
が・・これが現実なんでしょう。
児童買春 臓器移植。。。需要と供給
彼らは何をされてるのか わかんないまま闇の世界
へ突き落とされてしまったのでしょうが・・・
でも私も自分の子供が 移植を必要とするならば
供給側にならないと 言い切れない。
ノラネコ : 2008/09/05 (金) 23:56:10
坂本順治という人は、純娯楽映画をとらせるとあまり良い印象はないのですが、社会派が入るとまるで水を得た魚の様です。
佐藤浩一が出ていた「KT」も良い映画でした。
きっと何か社会のためになる作品を作りたい人なんでしょうね。
くう : 2008/09/17 (水) 21:55:47
そう。生まれた所が違うだけなのにね。
貧しいってこういう事なんだなぁ。
子どもさえ売り物なんだなぁ。
エイズにかかって瀕死の状態で帰ってきた少女が
亡くなって焼かれるシーン。
側で泣いてる母親が痛々しかった。
>でも私も自分の子供が 移植を必要とするならば
供給側にならないと 言い切れない。
自分自身のことならね、人の命を犠牲にしてまで
助からなくていいと思うけれども、子どもの事になったら
どうするか解らないね。。。
自分勝手なヒドイ人間だと自分を責めつつも、自分の
子どもを救う道に走ってしまいそうだよ。
くう : 2008/09/17 (水) 21:59:21
私も見ました!KT。
良い作品でした。。。って言うか、あれも重かったですね~。
>きっと何か社会のためになる作品を作りたい人なんでしょうね。
ただ面白いだけの娯楽作もいいけれども、社会に伝える物が
ある作品って言うのは素晴らしいと思います。
見て良かった、自分も伝えたいと言う気にさせられますね。
ルル : 2008/09/18 (木) 11:38:10
結構な覚悟で行ったのですが、、
視点は映像を追ってるけど、体は固まったまま
ドラマ感想ではぎゃあ~ぎゃあ~騒いでるわりには
(意外にも小心者なんですが、、^^;)
この映画に関しては言葉が出て来なくて
日常ブログの方にちょこっと触れた感じです。。
>ここにも、闇は浸食していた。
ガーンと来ました。。
一人一人の人間の心の闇が恐ろしい商売を成り立たせ、社会問題を作り出す。
それが日本人でもあったわけで、監督の強いMSGを感じました。
>淡々とそれぞれの役を演じた俳優のみなさんには
心から拍手を贈りたい。
うん、ホントそうですよね。
くう : 2008/09/24 (水) 22:12:47
何て言うか、人間の汚い部分をハッキリ照らし出された感じ。
>一人一人の人間の心の闇が恐ろしい商売を成り立たせ、社会問題を作り出す。
みんな1人1人が、買わないこと、手を出さない事を
決心しなければ闇は無くならないのよね。
でも、そういう商売って弱い部分を突いてくる物だからね。。。
よその国の子供を殺して手に入れる自分の子供のための心臓。
私だったら、やはり手を出してしまうのかも、と思いました。
子供を愛する親心に漬け込んだ商売ですよね。
きこり : 2009/04/10 (金) 22:32:32
ずっと気になってたから・・・
淡々と描かれた作品だけど見た人の胸にずん・・とくるものだったと思うわ。
子供たちへの描写は吐き気を催すものもあったけど、
多分、これと同じ事かこれ以上のことがどこかで行われているんでしょうね。
自分の欲望をかなえるためなら、金にあかせて何をしてもいいと思っている大人たち、そしてそれを利用して金儲けをしようとする奴・・・どうしたらこんな嫌な連鎖がなくなるのか・・・考えたら途方にくれるけど、この映画が考えるきっかけになったのは確かですわ。
阪本順冶監督の強い意志を感じました。
くう : 2009/04/11 (土) 23:47:04
名作って言うのと違うと思うけど、突きつけられた事実に
愕然としたわ。
こういう映画を見ないと知らないまま生きて行っちゃうって
言う恐さがあるから、見て良かったと思う。
平和ボケした日本人も、みんなこういう事実を知るべきだよね。
訴える物の大きな映画でした。
由香 : 2009/08/28 (金) 17:13:14
これはまさに衝撃作でした。観ていて辛かったです。
きっとあんな風に苦しんでいる子どもたちが世界のどこかに沢山いるのでしょうね。
非常に見応えのある映画でしたし、WOWOWでまた放送するので観たいと思っています。
ただ、、、上手く言葉で伝え難いのですが、臓器売買の件が気になったんです。
ああいう殺人行為がもし本当に行われているとしたら、、、とんでもないことですよね。
で、、、映画を“真実の物語”と受け取り、それを事実と信じ込む方がおいでかも・・・とちょっと心配になりました。
全くの作り話とは言えませんが、フィクションとノンフィクションの線引きが妙に曖昧で、観終わった後に悶々としてしまいました。それでも真実に迫ろうとした力作だとは思っているのですが。
くう : 2009/08/31 (月) 17:54:06
由香さんの記事を拝見してから自分の記事を読み直してみると、
まるでフィクション映画の感想のようなんですよね~。。。
真に迫った映画だったので、すっかりそんな気分で感想を
書いてしまったのですが、確かにあんまり考えてなかったかも。。。
こんな事が真実だったら恐ろしい事です。
でも、真実じゃないとは言い切れないんですよね。
なるほど考え始めると悶々としちゃうかも~^^;
どっちにしろ、こういう真実はあるかも知れない。
私たちは常にそういう事実があったとしたら、どんな立場にあろうとも
それに反対して行かなくてはならない。
そういう強いメッセージは受け取れた映画だったと思いました。